東京大学の「進学選択」、詳しく説明します!

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こんにちは、Shunです!

私が所属している東京大学には、「進学選択」という独自のシステムがあります。

大学に入学する時にはまだ学部が決まっておらず、2年生のときに学部を選ぶというもの。

今日はそれについてご紹介します。

1. 東大の「進学選択」って何?

(写真はNAVERまとめより拝借しました)

まずは、進学選択がどういう仕組みなのかを知っておきましょう。

1.1 入学する時は「学部」ではなく「科類」

東大受験時・入学時は「科類」というものに所属します。

文科1~3類、理科1~3類の計6種類。私はそのうち「理科1類」の出身です。

科類と学部の関係については後述します。

最初の2年間は「教養学部前期課程」といって、文系・理系の別はあるもののみんな概ね同じ勉強をします。

たとえば理系の場合、

  • 英語(リーディング、英会話、論文作成、…)
  • 数学(微分積分学、線型代数学、…)
  • 物理(力学、熱力学、…)
  • 化学(構造化学、物性化学、…)
  • 生物(生命科学、…)
  • 実験

などはみな必修科目になっています。

どういう分野を専門にするにしろ最低限必要な内容を、最初の2年間で勉強してしまおう、ということですね。

1.2 三年生で学部へ進学

三年生になるときに、学部へ進学することになります。

科類によって、進学しやすい学部が決まっており、概ね次の通りです。

<進学しやすい学部>

文科1類:法学部

文科2類:経済学部

文科3類:文学部・教育学部

理科1類:理学部・工学部

理科2類:薬学部・農学部

理科3類:医学部

「進学しやすい」の意味について説明します。

各学科には科類に応じた枠を設けているのです。

学部へ進学する際に、入試を受験するときは、行きたい学部を想定してそこに行きやすい科類を受験する、という感じ。

たとえば理学部は、下の図のように理科1類の人をメインに募集しています。

理学部の進学ルートマップ(理学部生物化学科HPより)。理学部は、理科1類からの募集がメインであることがわかります。

ですからもし理学部に行きたい高校生がいたら、その人は理科1類を受験した方がいいかな、という感じです。

2年生の6月ころになると、進学選択の希望調査が始まります。

そこで、行きたい学部・学科を選択して登録。

第2希望までの登録でした、確か。

それを元に、学科の振り分けが行われるのです。

この一連の流れを「進学選択」と言います。

私の1年上の代までは「進学振り分け」という呼称でしたが、中身は概ね一緒。

2. 「平均点」で順位が決まる!

しかし、当然ながら全員が行きたい学部に行けるわけではありません。

学部には定員というのがありますから、それを超える希望があった場合にはなんらかの基準で学生の順位付けを行わなければならないのです。

その手段とは、一体何でしょうか。

端的にいうと、答えは「平均点」です。

大学に入学して以降受験する授業・定期試験の結果が、学部への進学の際に重要になります。

すなわち定員を超えてしまった学科がある場合、応募者を点数の高い順に並べて、点数の高い人から順に採用していく、という流れ。

東大には第二外国語や英語をはじめとして必修科目が結構たくさん存在します。

そうした必修科目の試験の成績も反映されますし、必修でない科目も計算に含まれます。

計算に含まれない科目はほとんどありません。

進学選択に関する詳しい仕組みは

http://todai.kawai-juku.ac.jp/todai/distribution.php

などを参照してください。

東大のページではないのですが、端的にまとまっているので。

東大は進学選択の仕組みについて大々的に公表をしていないので、綺麗にまとまったページがなかなか見つからないんですよね。

ともかく、進学選択の仕組みについて一旦まとめておきましょう!

<進学選択の概要>

  • 東大に入学する時は「科類」に分類されており、学部へ進学するのは3年生。
  • 2年生の6月ごろに希望調査があり、それを元に振り分けが行われる。
  • 希望が集中した時は、2年生途中までの授業の平均点で優先順位が決められる。

進学選択のシステム、ご理解いただけましたか?

簡単にいうと、点数が高いほど学部進学で優位に立てるのです。

希望が通りやすくなる、というわけです。

点数がものをいう世界。大学受験とあまり変わりませんね。

こういう制度を取っている大学はさほど多くありません。

そもそも多くの大学では入学時に学部が決まっていますから、東大特有の制度といっても過言ではないでしょう。

3. 進学選択のメリット

仕組みの説明を終えたところで、次はメリットの紹介。

学部を「後で」決めることの利点を見ていきましょう。

3.1 学部をじっくり決められる

いい意味での「後回し」ですね。これも大きなメリットだと思います。

正直、大学受験の勉強をしたくらいでは将来の進路は定まらないものです。

学校で教科書を広げて勉強する。

これ自体はもちろん良いことなのですが、大学での学びというのはもっと深く、もっと多様なんです。

たとえば、大学受験で数学が得意だったからといって「よし、東大では数学科に行こう!」と決めるのはやや早計。

もちろん、数学が得意であることと数学の研究者に向いていることは正の相関があるでしょうが、それだけで決めてはなりません。

大学受験はテストの点数が正義ですが、研究の場ではそれ以外の能力が多分に求められます。

問題を「解く」のみならず「発見する」作業も必要。

このように、自分の専攻を選ぶときは結構イロイロなことを考えなきゃいけないんです。

なんだか面倒ですね。

でも、進路決定は重要ですから、いくら考えても損ということはありません。

東大では、実際に先生方の授業を受けたり講演会に行ったり、研究室を訪問したり…といろいろ体験してから学部を選択できます。

学部の決定まで1年半程度の猶予があり、そのぶんじっくり検討できるのがメリット。

私も大学入学時点では進路が決まっていませんでしたが、いろいろ見聞きしていくうちに行きたいところが定まってきました。

実際の研究者と接する機会において、大学とそれ以前では大きな差があります。

大学で「研究」に触れてから専攻を選べるという点で、進学選択は優れたシステムと言えるでしょう。

3.2 大学に入ってからもちゃんと勉強するようになる

日本の大学生が海外大学と比較して勉強量が少ないという話はよく耳にします。

そうした情報の信頼度はさておき、少なくとも日本の大学生の勉強量は致命的に少ないと私は考えています。

アルバイトやサークル・部活動など、大学生はやりたいことだらけ。

勉強している暇があるならそれらに集中したい!と考えている学生も多数いるわけです。

そうした気持ち自体は誰にでもあるものですが、やはり大学は学びの場。

大学に身を置いている以上、要求される勉強はこなさなければなりません。

でも、日本の大学生って本当に勉強量が少ないですよね。

勉強量は最低限にとどめて、あとは遊んだりアルバイトしたり。

なんだか非常に情けないです。

ただ、東大の場合その問題は多少軽減されます。

先述の通り、進学選択で希望が集中したときは、授業平均点で順位づけがなされるのでした。

要は、点数を取れば行きたい学部に進学しやすくなる、という訳。

したがって、当然みんな勉強するようになります。

どんな動機であれ、勉強するようになるの自体は良いこと。

もちろん、自発的に勉強できればそれに勝るものはありませんけどね。

尻叩き的にではありますが、学生に勉強の動機を与えるという意味ではプラスに作用しているのが現状です。

4. 進学選択のデメリット

進学選択のメリットを紹介してきました。

しかし、デメリットもあるんです。

4.1 学部の授業が始まるのが遅い

そのまんまといえばそのまんまです。

進学選択制度と表裏一体の関係にあるので避けられないのですが、これも人によっては欠点と感じるかもしれません。

早く学部の授業を始めたいのに、前期教養学部があるせいでそれができない…と苛立ちを覚える人もゼロではないことでしょう。

そうした人たちにとって、この制度は邪魔なものなんだと思います。

ただ、個人的な考えでは、これはあまり大きな問題ではありません。

前期教養学部生として初めの二年間で学ぶ内容(英語など、いわゆる教養科目)はやはり大切なものだと思っています。

もちろん私もはやく学部の授業を始めたいのですが、英語力も大切ですし、プレゼンテーションをする力、正しいレポート・論文の書き方もまたおろそかにしてはなりません

上でも述べたとおり、「人によって」あるいは「捉え方によって」これは欠点となりますが、私はそうは思いません。

私は、それよりも大きな問題があると考えます。

4.2 点数を取ることしか考えない学生が増える

これが、今の東大生の最大の問題点であると考えています。

たとえば東大には「逆評定」というものが存在します。

これは、いわば学生による授業評価です。

この授業は楽だ、この先生は厳しい、試験で点数が取りやすか否か、…といった情報が網羅されているもの。

そしてこれは東大生のなかで飛ぶように売れます。

それはなぜかというと、やはりこの進学選択制度があるためです。みな、いかに楽に点数をとるかということしか考えていないから。

自分が本当に必要としている授業よりも、点数を1点でも多く稼げる授業を優先。

また東大には「シケプリ」という悪しき風習があります。

これは、端的に言えば学生が作成した試験対策プリントです。

過去問とその解説を記したものや、授業のまとめプリントなど形式は様々。

学年を超えて「受け継がれ」たり、クラス間で共有されたりと、様々な方法で学生界隈に普及しています。

授業に出席せず、シケプリだけで単位を取ろうとしている者も少なくありません。

東大にはこうした「点をとるための」ツールがあり、多くの学生がそれらを利用しています。

私は、それらのツールは個人的な主義に反するので一切利用していません。

そんなの勉強ではないので。

このように、進学選択制度が存在するために、点数を取ることしか考えない学生が多いというのが、今の東大の現状です。

もちろん、東大生であり、また試験勉強をしていないわけでは無いので学力レベルが低いわけでは無いのですが、点数に結びつかないことをほとんどやらないという意味で非常に貧しく、また愚かです。

ただ、進学選択の制度そのものに非があるわけではないですよね。

点数至上主義になってしまうのは、どちらかというと学生の心構えに問題があります。

本当は、点数にとらわれずに積極的に勉強していきたいところなのですが。

ん〜、難しい問題ですね〜(>_<)

良い方向へ変化することを願うばかりです。

5. まとめ

東大の学部振り分けシステムである「進学選択」について、その概要と長所・短所を説明しました。

入学から学部決定まで猶予があり、じっくり考えられるという意味では優秀。

しかし、点数で順位が決まるので点数至上主義になってしまう。

進学選択にはこうした性質があるのです。

実際に学部・学科を選ぶ際は、点数を気にせず自由に学んで、興味を持った分野に進むのが理想と言えるでしょう。

東大志望の生徒やその保護者さんの参考になったら幸いです(^_^)

以上、Shunがお伝えしました。

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