紙の本と電子書籍、あなたはどう使い分ける?

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ここ数年で、電子書籍は急速に普及しています。

amazonのkindle、楽天のKoboあたりが有名ですね。

持ち運びに便利な電子書籍。

私も時折読むことがありますし、電子書籍で本を出版した経験もあります。

しかし、電子書籍よりも紙の本の方がいい!と思っている人も多いことでしょう。

  • 紙の質感が好き
  • 紙の方が集中できる

など、紙にもそれなりの長所があるようです。

そこで今回は、紙の本と電子書籍のメリット・デメリットをまとめてみました。

状況に応じてどちらを使えば良いのか、これを読めばきっと分かります!

1. 紙の本の特徴

まずは慣れ親しんだのほうから説明します。

紙の本にはどういうメリット・デメリットがあるのでしょうか。

1.1 メリット

メリットとしては、感覚的なものと論理的なものがあります。

感覚的なもの」というのは紙の質感など。

論理的なもの」は、研究により明らかとなっている点です。

順に見ていきましょう。

1.1.1 紙の質感

紙の本を好む大きな理由の一つに、その質感があります。

紙特有の触りごこちや厚み、匂いが好きだという人もいることでしょう。

かくいう私もそうした「質感」が大好きです。

そんなの個人的な感覚でしょ、と思うかもしれませんが、そうはいっても感覚って重要なんです。

本の質感が自分にフィットしていると、落ち着いて本を読むことができます。

すると内容を理解しやすくなったり、より話に入り込むことができたりというメリットがあります。

すでに電子書籍が普及している近年ですが、ほとんどの方は小学校・中学校で紙の本(=教科書)に親しんでいます。

多くの人にとって紙の本が落ち着く理由はここにあるのでしょう。

もし小学校から電子黒板・タブレット教科書での授業だとしたら、今ほど紙への親しみは湧かないはずです。

手触りや匂いも含めて、紙特有の質感は大きなメリットと言えます。

1.1.2 驚きの研究結果

紙の本の長所を示す、面白い研究があります。

スタヴァンゲル大学(ノルウェイ)のAnne Mangenという研究者が、電子書籍よりも紙の本のほうが学習効果が高いという研究結果を発表したのです!

これは、紙の文章とスクリーンの文章のどちらが読みやすいかを調査したものです。

生徒たちに英語で1,400-2,000語の文章を読んでもらい、それに基づいた読解問題を出題する、という方法をとりました。

得点の高さで読解の度合いを評価する、ということですね。

研究の結果、次のようなことがわかりました。

Main findings show that students who read texts in print scored significantly better on the reading comprehension test than students who read the texts digitally.

(林による訳)

主たる結果は、紙の文章を読んだ生徒のほうがデジタルの文章を読んだ生徒よりも、読解テストで圧倒的に高い点を取ったことを示している。

上の論文より

紙に印刷された文章の方が読解の成績が良かったということは、紙の本の方が内容を理解しやすいことを示しています。

なぜこういう結果になったのかは詳しい研究を待ちたいところですが、この結果が紙の強力さを再認識させたのは確かです。

物理的な実体があって、ページをめくりながら読んでいくというスタイルが読解に貢献しているのかもしれませんね。

ここまでの内容を一旦まとめましょう。

<紙の本のメリット>

  • 手触り、匂い、厚みを含めた質感が読み手を落ち着かせる
  • 電子書籍よりも読解しやすいことが研究で明らかになっている

しっかり読んで、しっかり理解するという観点においては紙の本が優秀であることが分かりました。

1.2 紙の本のデメリット

ただ、紙にはデメリットもあります。

次は紙の書籍のデメリットを見ていきましょう。

1.2.1 ページ数が多いと重くなる

全ての人に共通する問題は、紙の書籍はページ数が多いと重くなる、ということです。

小説1冊であれば大したことはありませんが、学生に欠かせない辞書や百科事典などは1冊で数kgすることも。

本を複数持って行こうとすると結構な重量になり、持ち運ぶだけで疲れてしまいますよね。

学校の教科書でもほぼ同様のことが言えます。

1日に何科目もある日だと、その全ての教科書を持参する必要があるので大変です。

重くて分厚いため、持ち運びに手間がかかる。

これは、紙の本の決定的なデメリットと言えるでしょう。

1.2.2 「検索」ができない

もう一つの欠点は「検索」ができないことです。

たとえば本を途中まで読んだ時に、しおりを挟み忘れたとしましょう。

すると、「あれ、この前どこまで読んだっけ…」となり、1ページずつめくって探さなければなりません。

電子書籍では自動で前回読んだページを開いてくれるので安心です。

また、学問書で「あの内容ってどこに書いてあったっけ?」と思うこと、ありますよね。

そういう時、電子書籍であれば検索機能ですぐに該当ページを探すことができます。

しかし紙の本だと、その検索を手作業で行うことになります。

ボリュームのある本でそれをやると結構しんどいです。

このように、読みたい箇所があった時に自分で探さなければならないのが紙の本のツラいところ。

<紙の本のデメリット>

  • ページ数が多いと重く・分厚くなる
  • 読みたいページを独力で探す必要がある

どちらも紙の宿命と言えます。

2. 電子書籍はどうか

ここまで、紙の本のメリット・デメリットを紹介してきました。

次に電子書籍について見ていきましょう。

主に、最初にあげたkindleとKoboを想定しています。

2.1 電子書籍のメリット

まずはメリットから。

こちらは皆さんもすぐに思いつくことでしょう。

2.1.1 軽量で、場所を取らない

最大の長所は、やはり軽量で小さいことです。

紙の本の場合、3冊持っていくとしたら3冊分の重み・3冊分の大きさと戦わなければなりません。

しかし電子書籍では、何冊データを入れても大きさも重さも変化しません。

ごく軽量で、コンパクト。これが電子書籍最大のメリットなのは間違いありません。

旅行など遠出をするときに特に重宝しますよね。

最近は、ハイキングや登山をする際に携行する方もいるようです。

kindleもKoboも、画面サイズが6インチ、重さはなんと100グラム台(機種により異なります)。

とんでもない軽さですね。

大きい紙の本だと、外出する時に「持っていきたいな…でも重いからやめるか。」なんていうケースもしばしば。

そうした悩みとはおさらばできます!

2.1.2 便利なしおり・検索機能

電子書籍のもう一つのメリットは、やはりデジタルだからこそ可能な機能です。

漫画や本を途中まで読んで終了すると、そこに自動でしおりを挟んでくれます。

いつでもサクッと読めてサクッと閉じることが可能。

それに、特定の単語を含む箇所を調べたいときは、検索機能が活躍。

文字列を入力して検索ボタンを押すだけで、該当箇所を示してくれます。

また、目次をタップするとその章に飛んでくれるので、わざわざページをめくって探す必要がありません。

このように、デジタル機器だからこその利便性も備えているのが電子書籍の長所です。

電子書籍のメリットをまとめておきましょう。

<電子書籍のメリット>

  • 何冊入れても軽量で場所を取らない
  • しおりや検索といった便利な機能がついている

2.2 電子書籍のデメリット

現代的な機器として大変重宝しそうな電子書籍。

ですが、いくつかデメリットも存在します。

電子書籍の短所を見ていきましょう。

2.2.1 学習効果が低い

先ほど紙の本の章で述べた通り、電子書籍は紙の本と比較して読解のレベルが低下してしまいます。

これは一つ見逃してはならないデメリットです。

学習のためだけに本を読んでいるわけじゃない!と思うことでしょう。

それは一理ありますが、難しい小説や参考書などを読むときは学習効果が低いと苦労します。

推理小説であれば、登場人物やその会話、現場の状況などをできる限り覚えておいた方が楽しいです。

参考書であればいうまでもなく内容の理解は不可欠。

こう考えると、電子書籍は「じっくり読む」という方向性が苦手だとわかりますね。

2.2.2 貸し借りできない

もう一つの大きなデメリットは「貸し借りができない」ということです。

紙の本であれば、誰でも自由に貸し借りが可能です。

友人が面白そうな本を読んでいたら、「面白そうだね!今度貸してくれない?」とお願いできます。

しかし電子書籍はデバイスが個人と紐付けされているため、これが不可能なのです。

データの貸し借りが可能だったら、無料でみんなで読み放題になってしまいますからね。

貸し借りができないというのは、皆さんが思っている以上に大きな障壁です。

理由は単純で、読みたい本は全て購入しなければならないため。

たくさん本を読む人にとっては、全て買うのは金銭的にキツいもの。

だからといって図書館で紙の本を借りてしまっては本末転倒ですよね。

また、貸し借りできないというのは中古で販売できないことも意味します。

2.2.3 端末が故障すると何もできない

紙の本には不便な点も多いですが、アナログで実体があるからこそ便利なこともあるんです。

それは「故障しない」ということ。

コーヒーを読みながら電子書籍を読んでいて、誤って端末にコーヒーをこぼしてしまったとしましょう。

するとその影響は、今読んでいる本だけでなく全ての本に波及します。

たとえば画面が汚れてしまったら全ての本を読むときに画面の汚さを気にしなければなりません。

故障して読めなくなったら、その中に入っている全ての本が読めなくなります。

このように、端末に集約する形式のメディアには「故障に弱い」というデメリットもあるのです。

紙の本でもコーヒーをこぼしてしまうことはありますが、影響を被るのはその本のみです。

また、多少汚してしまっても大抵の場合は読み続けることができます。

電子機器はそう柔軟にはいかない、というわけ。

電子書籍のデメリットは以下の通りです。

<電子書籍のデメリット>

  • 学習・読解の効果が低い
  • 貸し借り・中古販売ができない
  • 故障に弱い

3. 電子書籍と紙の本の使い分けは?

紙の本と電子書籍、両者のメリット・デメリットを説明してきました。

結局、どちらを選べば良いのでしょうか。

最後にそれを説明したいと思います。

3.1 中身をしっかり理解したいのであれば、紙の本!

ここまでで述べてきたように、紙の本の方が電子書籍よりも学習効果は高くなります。

たとえば英単語の勉強をしたい場合、同じ書籍を紙で読むのと電子で読むのとでは、紙の方が記憶しやすいことになります。

英単語の場合、読んで「楽しかったな〜」では当然NG。

最終的には中身をきっちり理解しなければなりません。

このように本を読むことで勉強をしたいのであれば、持ち運びのしやすさや細かい機能ではなく内容理解を優先すべきです。

そのような場合は電子書籍よりも紙の本が適していると言えるでしょう。

それに、英単語帳1冊持ち運ぶくらいであれば大して苦痛ではありませんよね。

そういう意味でも、便利さを我慢して紙の本を使うことを推奨します。

3.2 気軽に読みたい or 重い本は電子書籍!

外出先でお気に入りの本や漫画を読みたい。

複数冊持っていきたいけれど、重くて面倒…

そういうときは電子書籍を推奨します。

内容を真剣に理解する必要のない場合、無理をしてまで紙の本を使う必要はありません。

利便性を重視して、端末にお気に入りの本を入れちゃいましょう!

重くもないし、そのほうが色々ラクです。

また、語学辞書のように極端に重くて分厚いものも、電子書籍(電子辞書)の方が賢いかもしれません。

紙の辞書にはそれ特有の良さがありますが、体力を消耗してまで重くて邪魔なものを持っていく必要があるかは微妙なところです。

ここは個人の好みの問題でもありますが、大学生なんかは電子辞書の方が便利でしょう。

4. まとめ

内容をしっかり理解したいなら紙の本。

気軽に便利に持ち運びたいなら電子辞書。

両者はこのように使い分けると良いでしょう。

紙の本への愛情は素晴らしいですが、便利な機器を使わないのも勿体無い。

でも二つをバランス良く使えば、「いいところ取り」ができるわけです!

この記事が、皆さんの読書ライフに貢献すれば幸いです。

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