リスニング力を上げるには、2種類の「音読」をしよう!

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大学受験の中でも、リスニングは対策のしにくい科目の一つでしょう。

参考書の数自体さほど多くないですし、勉強法も見えにくいです。

そのためか、リスニングの勉強量は単語・文法に比べると少なくなりがち。

でも、リスニング力を向上させるうえで単純明快な方法があります。

それは「音読」。

えっ、リスニングなのに音読?逆じゃない?

そう疑問を抱くことでしょう。

リスニング対策に音読がいかに貢献するか。

今回はそれを解説したいと思います!

1. 音読と黙読の違い

音読の働きを知るために、音読と黙読の違いを見ておきましょう。

声を出すか否か、だけではないんです。

1.1 黙読の罠

参考書を読んで勉強する時に、最初は集中していたのに次第に頭がぼーっとしてしまう、という経験は誰もがお持ちでしょう。

私も、大学の難しい教科書を読んでいる時にそうなることがあります。

黙読とは、文字通り「黙って読む」こと。

黙読は、声に出す必要がない分音読より楽です。

しかしそこには一つ大きな罠が潜んでいます。

声に出す必要がないということは、文字を目で追うだけでOK、ということ。

最初のうちは内容を理解しようと努力するのですが、次第に面倒になりただ目を動かしているだけになってしまうのです。

とにかく先のページに進むことを優先し、視線を滑らせているだけの状態。

みなさんも、体感したことがあると思います。

当然そんな読み方では内容を理解することはできません。

マンガのように真剣に理解する必要のないものは別ですが、参考書でその読み方は無意味です。

でも、ついつい「ぼーっとしている」状態に陥ってしまいます。

それはなぜでしょうか。

端的に言うと、ちゃんと黙読できている状態と「ぼーっとしている状態」がグラデーションでつながっているからなのです。

というのも、いずれの状態も「目」しか使っておらず、受動的な姿勢だからです。

ぼーっと眺める、つまり視界に文章を入れるだけだったら無意識のうちに実行可能です。

しかも、内容を理解しようと努めるよりもぼーっとしていた方が疲れないのでラクですよね。

人間は、特に理由がなければ楽なほうに流れてしまうもの。

よほど強い意思がない限り、実りある黙読を続けるのは大変なのです。

たとえば小説が好きな人は小説を何時間も読んでいられるでしょうが、数学の苦手な生徒が数学の本をずっと読み続けるのは大きな苦痛。

黙読しようとしても、無意識のうちにそれを嫌がって頭がぼーっとしてしまうのです。

グラデーションというのは、簡単にいうと坂道のようなもの。

あなたは、自転車に乗ってその坂道にいると考えましょう。

自分で何もしなければ、自転車は坂を下ってしまいます。

上の位置をキープするには、常にエネルギーの投入が必要ですよね。

<黙読の問題点>

意識的に内容を理解する状態とぼーっとしている状態は、いずれも「目」しか使っていないため、グラデーションのように遷移しうる。

強い意思がない限り、どんどん楽な方、つまりぼーっとした状態に陥ってしまう。

1.2 音読は「別次元」!

黙読に潜む罠について説明しました。

黙読の主役は「目」であり、目に情報が入ってくるというのは受動的なものです。

したがって、知らぬ間に楽なほうに流れてしまうというのが問題なのでした。

「グラデーション」型だとモチベーションの維持が大変、ということですね。

一方、音読はどうでしょうか。

黙読と音読の最たる違いは、もちろん「声を出すか否か」ですね。

声に出すまでに、私たちの体では次のようなことが起きています。

  • まず目から情報が入ってくる。
  • それを脳で処理し、どういう言葉か理解する。
  • 口や声帯を動かし、声にする。

このステップの中で重要なのは、「どういう言葉か理解する」ということ。

先ほどの、黙読でぼーっとしている状態は、これができていないのです。

最初のうちは文章を理解できているのですが、次第にそれが面倒になり、ただ目から文字が入ってくるだけになってしまう。

だから内容が定着しない、という理屈。

参考書を読むときは、「どういう言葉か理解する」というステップにたどり着かなければ、勉強になりません。

しかし、何度も述べているように黙読だと強い意思を保つ必要があります。

それでは大変なので、できれば半強制的にそのステップに行きたいな…と思うことでしょう。

で、それを解決してくれるのが「音読」。

少々難しい話になってきましたが、理屈は単純!

内容理解の次のステップ「声に出す」を行うには、「どういう言葉か理解する」必要がありますよね。

つまり、音読をすることで必然的にそのステップをクリアできるんです。

黙読と音読は、似たような行為に見えて実は「別次元」のもの。

分かりやすくするために裏返して言うと、「どんな言葉かわからないのに音読できるわけないじゃん?」という理屈。

先ほどの黙読が受動的だったのに対し、音読は能動的。

声に出すという形でアウトプットをしているのが違いです。

アウトプットする過程で、自然と内容を理解できるのです。

<音読の長所>文章の言葉を理解しないと音読はできない。

つまり、音読をすることで半強制的に内容を理解できる。

2. リスニングにおける音読

音読の効果、理解できましたでしょうか。

では、リスニングで音読がどのように活きるのかをご説明しましょう。

2.1 話せない言葉は聞き取れない!

リスニングが苦手な場合、あなたは何を勉強しますか。

きっと多くの人は、リスニング教材や教科書のCDを聞いて対策をすると思います。

「リスニングが苦手→リスニングの勉強をする」。

自然な流れに見えますが、これが必ずしも正解とは限らないのです。

一つ私たちが気をつけなければいけないのは、「自分が話せない言葉は聞き取れない」ということ。

英語の発音がままならないのにリスニング対策ばかりをしても、あまり意味がないのです。

理由は単純。

単語の発音を知らないと、音声を聞いてもどの単語か判別できないためです。

知らない文字の解読をできない、というのとほぼ同じことですね。

リスニングをできるようにするには、聞くよりも先に自分が話せなければなりません。

通常のリスニング教材を用いているだけでは、話す練習はできませんよね。

そもそも、今の日本の英語教育では「話す」機会が大変少ないです。

読解したり聞いたりというばかりで、自分からなかなかアウトプットしない。

したがって、スピーキングの機会は自分で設けるべき。

とはいえ、いつもネイティブの先生が身近にいるわけでもないですし、英会話学校に通うのはお金がかかり面倒です。

そこで、話す機会を少しでも補えるのが「音読」の良いところ。

2.2 音読で鍛えられる力

音読をすることでどういう良いことがあるのか、詳しく見てみましょう。

2.2.1 単語の発音がわかる

第一に、単語の発音をチェックできます。

普段黙読しているときは、発音を知っているつもりで先へ読み進めてしまうことが多いでしょう。

でも、音読するとなるとどの単語が発音できないか、イヤでも分かります。

普段あまり音読しない状態で急に音読をすると、発音できない語が多くて驚きます。

いかに自分が発音をおろそかにしていたか、実感できるのです。

上で述べたように、発音を知らないことにはリスニングもできません。

曖昧な箇所がないかを総チェックできる点で、音読は優秀です。

2.2.2 発音の連結・脱落がわかる

ネイティブの発音を聞いていると、全ての単語をちゃんと発音しているわけではないことが分かります。

2つの単語をつなげて発音したり、重要でない語の音が脱落したりと、柔軟に変化しているわけです。

しかし、黙読で勉強をしている限り、どういう箇所でそうした連結・脱落が起こるのかは理解できません。

それが理解できないと、音声を聞いても「これは何の単語だ?どう連結しているの?」と困惑するだけ。

東大のリスニング参考書として有名な「灘高キムタツの東大英語リスニング」の著者、田中達哉さんも次のように述べています。

自分で発音できない音は聞き取れない!

もちろん頭の中で知識として持っておくことは重要ですが、実際問題として具体的にどのように(発音の)連結や脱落が起こるのか、自分でも発音できないとダメです。

「灘高キムタツの東大英語リスニング」より

連結・脱落を聞き取れるようにするには、自分でも発音できるようにするしかない、ということ。

結局、自分で何度も音読して読みなれるのがベストです!

2.2.3 声を出すことそのもののメリット

3つ目は、声を出すこと自体のメリット。

具体的には、黙読で勉強するよりも内容が頭に入りやすいです。

黙読で用いている感覚器官は「目」だけ。

しかし、音読となると「口」も動かすことになります。

複数の器官を動かして学習した方が、記憶に残りやすいんです。

たとえば理科の実験で硫酸銅水溶液を扱ったとしましょう。

実際に硫酸銅水溶液を見てみると、「確かに青いんだなー」と驚くものです。

参考書を読んで知識として知っているだけの状態よりも、このように自分の体験として確かめた方が、圧倒的に記憶に残りやすいです。

私も、高校のころ実験をしたときの記憶は、普段の授業よりも鮮明に残っています。

このように、体の色々なところを働かせると、効率的に学習できるのです。

音読は、まさにその法則に従っていると言えるでしょう。

一旦、音読のメリットをまとめておきましょう。

<音読のメリット>

  1. 単語の発音をチェックできる
  2. 発音の連結・脱落がわかる
  3. 内容が定着しやすい

2.3 試験の場でも「音読」?

音読は、文章の内容を理解する上で大きな助けとなります。

したがって、試験の場でも音読をできれば読解力は上がることでしょう。

でも、当然ながら試験中に声を発するのはNG。

音読なんてできるわけないか、と諦めそうになりますが…

実は、試験中でも音読に近いことを実行できるのです!

それは、「口を動かすこと」

声は出さないように、その英文を読んでみるのです。

口を動かすだけでも、文章は格段に理解しやすくなります。

特に、長文読解で行うと効果的。

長文が苦手で集中力をキープできない人は、ぜひ試してみてください。

最後までちゃんと読み切ることができます。

でも、あんまりやりすぎると怪しいのでそこは注意です(笑)。

3. リスニング対策の2つの音読法

ここまで見てきたように、音読には様々なメリットがあるのです。

では最後に、リスニング対策になる2つの音読法をご紹介します。

3.1 スクリプト音読

1つ目はいたって単純。

リスニング教材には、必ずスクリプト(=放送される音声の原稿)があります。

それを自分で音読する、という方法。

リスニング教材でなく、教科書の文章でも構いません。

ただし、読み上げ音声が付いている題材にしましょう。

まず、何も考えずに自分で文章を音読してみます。

どれくらい読むかは個人の自由ですが、書籍1ページくらいの長さがちょうど良いでしょう。

できればスマホなどで録音してみるのです。

そして次に、読み上げCDの音声を聞いてみます。

先ほど自分の音読を録音した人は、それも流して聴き比べてみるとよいでしょう。

自分の声を録音して聞くのは非常に恥ずかしいのですが(笑)、我慢。

突っかかってしまったり、スピードが落ちてしまったりした箇所に印をつけるのです。

その作業が終わったら、印をつけた箇所のみ音読して練習。

スムーズに読めるようになったら、最後にもう一度全文を音読しましょう。

この作業を全てちゃんとやると、短い文章でも30分はかかってしまいます。

でも、時間がかかる分ちゃんと効果はあります。

発音に自信のない人はぜひ試してみてください。

3.2 シャドーイング

もう少し難度の高い練習法として「シャドーイング」があります。

皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、方法は単純。

シャドーイングとは「流れてくる音声を自分で復唱すること」です。

聞こえてくるものと同じことを喋る。

簡単そうじゃない?と思ったあなたは、簡単な文章で良いので試してみましょう。

実はかなり大変だとわかるはず。

このシャドーイング、高い英語処理能力が要求されるのです。

  • 聞こえてくる音声を理解する
  • それを自分でも喋る
  • 自分が喋っている間の音声も聞く

ということを一人でこなすわけですから、結構ハードなんです。

リスニングが苦手な人にとって、シャドーイングはかなりハードルが高いと思います。

普通の音読を繰り返し、リスニングの得点が伸びてきたらこちらを試すと良いでしょう。

シャドーイングをできるようになるには時間を要しますが、その分絶大な効果があります。

これができれば大学入試に通用するリスニング力がついたも同然です。

4. まとめ

  • 黙読と音読の違い
  • 音読のメリット
  • リスニング対策の2つの音読法

を説明しました。

音読というと、小学生がやっているようなイメージを持つかもしれません。

しかし、実はかなり優秀な勉強法なのです。

声を出すことで、あなたの勉強は受動的なものから能動的なものへ変化します。

これにより、内容の定着が早まるわけです。

それに英語の場合、発音のチェックなどもでき、メリットだらけ。

リスニングが苦手な人は、ぜひ「音読」を学習に取り入れてみましょう!

また、リスニング以外の場でも音読を活用できるといいですね。

音読により、みなさんの「勉強」が大きく変容したら幸いです。

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